柏木ハルコ「ブラブラバンバン」を読んで


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柏木ハルコ「ブラブラバンバン」を読んで
僕は、かつて”音楽マンガ”という狭いカテゴリの中で”馬鹿マンガ”の作品を挙げよと尋ねられたら
岩田康照が描いた「MAD JAM」を挙げると書いたことがある。
だが、”音楽マンガ”という世界の中で”馬鹿マンガ”と”スポ根”と”変態的エロ”のみっつを素晴らしくミックスさせて
見事に昇華した作品は柏木ハルコが描いた「ブラブラバンバン」の他においてないだろう。
しかも高等学校における吹奏楽部というある意味で封鎖(狭いと書くべきか)された世界を
見事に表現しきった作品であると同時に、
物語の実に下らない変態的エロさ(これでも最上級の賛辞を贈っているつもり)は別として
柏木ハルコファンを含めたマンガファンだけでなく、
多くの吹奏楽経験者に柏木ハルコという作家を多く知らしめた作品であることは間違いなく、
多くの現役吹奏楽演奏者さえにも少なからず影響を与えたと思う。

また余談ではあるが、「ブラブラバンバン」という作品は08年に映画化もされ、
CDアルバムでは映画化されたサウンドトラックの他に
東京佼成ウインドオーケストラ名義の作品「ブラバン!甲子園」シリーズのジャケットも手がけている。
少なくとも「ブラブラバンバン」という作品は柏木ハルコが描いてきた作品の中で最も成功したひとつと言っても過言ではないと思う。

以前より素晴らしい音楽マンガは数多あるのだが、1997年あたりから音楽マンガは花開く時代に突入する。
特にクラシック系だけに絞るなら、1997年に双葉社からさそうあきら「神童」から始まり、1998年に講談社から一色まこと「ピアノの森」、
そして満を持して2001年に音楽マンガというジャンルを決定的に確立させた功績を持つ作品である
講談社から二ノ宮知子「のだめカンタービレ」が登場する。
ちなみにロック系では1999年に講談社からハロルド作石の「BECK」、00年に集英社から矢沢あい「NANA」が登場し、
白泉社から若杉公徳の「レトロイド・メタル・シティ」に至っては2005年まで待たなくてはいけない。
そんな中で1999年に小学館週刊ヤングサンデーから柏木ハルコの「ブラブラバンバン」が登場する。


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