槙村さとる 「まみあな四重奏団」 を読んで


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さて、文庫版のP17を読むと3コマ目でとんでもない擬音が並ぶ。4コマ目の花梨の台詞により、
次男の拓坊がギターでヘヴィメタルのヴァン・ヘイレンを演奏していることがわかる。
これにより次男がどのような音楽を嗜好しているかを理解することが出来ると同時に、ロックに対して多少の知識があれば、
ちょっとしたモデルも読者側で想像することが出来ると思う。

多分、実際に作者の槙村さとる自身も次男の拓坊をギタリストのアレックス・ヴァン・ヘイレンをモデルにしたと思われる。
アレックス・ヴァン・ヘイレンはドラマーである弟エディと共に音楽シーンを席巻し、
ライトハンド(今じゃ死語でタッピングと言う)というギターテクニックの第一人者であり、ロックの一時代を築いた。
またヴァン・ヘイレンの父ヤンはクラリネット奏者でヴァン・ヘイレン兄弟を幼少期からヴァイオリンやピアノなどとクラシックの教養を植えつけている。
その上に父ヤンはヴァン・ヘイレンと競演もしたことがあり、父自身も子供達及び音楽に対して幅広く深い愛と理解を示していることがわかるはずだ。
必ずしも私の読みが正しいとは思わないが、状況的に考えて拓坊のモデルや家族構成の一部としてヴァン・ヘイレンをモデルにして
マンガを作っていると思いたい。

もっと付け加えるならば、槙村さとるという自身が他のマンガの題材にもしているように、
踊ることが大好きで、それに影響して同時に音楽も幅広く様々なジャンルを人より多く聴いていると思われる。
その中で槙村さとる自身も音楽に対して多くの教養と知識が蓄積されていると考えるのは、さほど不思議ではないはずだ。


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