よしながふみ 「ソルフェージュ」 を読んで


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この「ソルフェージュ」というマンガを読んで、本当に少女マンガというのは幅が広く、男性の僕からすると改めて感嘆する作品だ。
今では女流マンガ家のすべてが多くのマンガジャンルに進出し、女性が描くマンガのキャパシティの広さに驚くと同時に、
逆にどうして男性マンガ家が少女マンガ系に深く進出してこないのかという疑問が沸き起こる。
それは男性が持っている表現描写の限界なのか、時代が女性作家を求めているのか、ふとした疑問である。
(あだち充とか昔に描いていた作家の話を持ち出す気はない)

よしながふみは、今ではドラマ化にもされた「西洋骨董洋菓子店」という代表作を持ち、
コミックマーケットで同名作品やオリジナルの同人誌をも定期的に発行する、
商業作家としても同人作家としても絶大な人気を誇るマンガ家のひとりである。
今では「大奥」という新たなマンガで、ファンからも業界からも新たな評価を勝ち取り、
一層の名声を得ようとしている。

物語は、ボンボンでやる気のない音楽教師久我山の許に、
かつての教え子である田中吾妻が音楽学校受験の為に通ってくる。
久我山は、見た目の体格の良さとは裏腹に複雑な家庭環境ゆえに繊細な心を持つ田中を、
いつしか優しく抱きしめて音楽のレッスンを続けていく。
 ここまでは、ソルフェージュシリーズの1話までで、
シリーズ最終話の5話までのあらすじは、やや複雑なので省略する。


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