アラン・ムーア/デイヴィッド・ロイド 「Vフォー・ヴェンデッタ」 を読んで


1

僕が海外のコミックを初めて読んだのは「X-MEN」だった。
1994年にテレビ東京系で同作品がテレビ放映され、それに影響されて翻訳されたコミックを購入したのが始まりだった。
当時の僕は高校生だったけど、アニメが好きな同級生も「X-MEN」のファンが多かったように思えたし、
実際に人気が高くフィギアといったキャラクター商品が多く発売されていたように思える。
僕は棍(木の棒)やトランプを武器にしているロングコートを羽織ったガンビットというキャラクターが好きで、
あのニヒルで気障なプレイボーイっぽさが好きだった。

話が「X-MEN」になってしまったので本来の話に戻そう。
なんの前知識もなく「Vフォー・ヴェンデッタ」という映画を観に行ったとき(07年4月)に配給会社の中に
僕が知っているコミック会社の名前が映し出されたのを観て、作品が海外コミック原作なのだという事を知ったわけだ。
多分、国内の認知度もコミック作品というよりもウォシャウスキー兄弟(僕にとっては性転換した兄)が脚本を書き、
ナタリー・ポートマンが主演した映画作品のイメージが強いと思われる。
音楽マンガを取り上げる事を旨としている僕の連載に海外のコミックが取り上げられることになったのは、
コミックの中に描かれていた音楽や音の表現に特異な点があったからである。
少なくとも日本の音楽マンガでは描かれてこなかっただろうし、これからも描かれないであろう、やや実験的な描写を取り上げてみたい。
そしてマンガにおける音や音楽表現の可能性の幅を指摘できたら嬉しいかぎりだ。


次へ

inserted by FC2 system